闘魂 VS ど真ん中
SWGPヘビー級選手権試合 30分1本勝負。
挑戦者ONSHO 対 王者アントン イノチ。
元革命戦士がリングのど真ん中で王者の登場を待つ。
会場を焦らす様にゆったりとした
足取りでリングへと向かう
第2代SWGPヘビー級王者
燃える闘魂 アントン イノチ。
今日も真っ赤なガウンが映える。
――――― ONSHOのハイスパートが王者の風車の理論を上回るのか。
今、戦いのゴングが鳴る。
ONSHOが前に出るがソレをいなすように距離を取るイノチ。
両者が交わらないまま、ただ時間だけが過ぎていく静かな出だし。
まず試合を動かしたのはONSHO。
強引にイノチを捕らえると、豪快なボディスラムでマットに叩きつけ
そこからグラウンドへ。その太い腕でイノチの首を締め上げていく。
3分過ぎ、イノチが反撃に出る。
素早く体を入れ替えると、激しいナックルから、
相手の腕めがけてニードロップ。
その攻撃を物ともせず、ONSHOは力ずくでコーナーへ
イノチを押し込むと、相手の顔めがけて容赦ないストンピングの嵐!
コレがイノチの闘魂に火を点ける。
鬼の形相で腕が折れんばかりのアームブリーカー、
腕ひしぎ、キーロック等で執拗にONSHOの腕を攻め立てていく。
このまま一気に勝負が決まるかと
思われたが場外に戦いの場が移ると
その様相が変わる。
鉄柱攻撃でイノチに
片寄りかけていた流れを
見事断ち切る事に成功。
そして、リングにイノチを戻すや否や
ロープの反動を充分に利かせたリキラリアットから
渾身のサソリ固め。イノチ絶対絶命のピンチ。
が、ここでONSHOの
一瞬の隙を付いてイノチが
電光石火の逆さ押さえ込み!
だが、革命の灯を消す事は出来ない。カウント2.8でソレを凌ぐと、
高々とイノチを放り上げるショルダースルーから、
バックドロップ、コーナーポストからのブレーンバスターと
大技のオンパレード。イノチの顔から生気が失われていく。
マットに寝そべるイノチを横目に
ゆっくりと腕を回し、
相手が起き上がる頃を見計らって
予定通りのリキラリアット一閃!
フォールへ。
「決まった」と誰もが思ったが、
イノチはコレを不屈の闘魂で返すと、
これまで幾多の逆転劇を演出してきた
伝家の宝刀"延髄斬り"を放つ!!
そのままフォールへ。
しかし、ONSHOも
カウント2.9でコレを返す!
イノチは3本指を立てながら
審判席に向かって抗議するが、
その背後からはONSHOが・・。
目には目を。延髄には延髄を。
衝撃でイノチの顔が変形する程の
"延髄リキラリアット"が火を噴いた!
レフリーがマットを叩く。1、2、3。文句なしのカウント3。
その瞬間、場内の大歓声をかき消す全開のパワーホールが鳴り響いた。